ピグマリオン効果とは?期待が現実になる自己実現的予言

定義
ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)は、他人の期待が実際の成果に影響を与える心理現象です。簡単に言えば「期待すれば本当にそうなる」ということです。これを自己実現的予言(Self-fulfilling Prophecy)とも言います。
例えてみましょう。先生がある学生を見て「この子はうまくやれるだろう」と期待すると、その学生は本当に成績が上がります。逆に「この子はダメだ」と期待すると、その学生は実際に成績が下がります。学生の本来の能力が変わったのではありません。先生の期待が態度と行動を変え(もっと褒めて、もっと気にかけて、もっと難しい問題を与えて)、それが学生に影響して(自信が生まれ、もっと頑張って)結果が変わるのです。
ピグマリオン効果は1968年に心理学者ロバート・ローゼンタール(Robert Rosenthal)が証明しました。彼は小学校で実験をしました。ランダムに学生を選んで先生に「この学生はIQが高くこれから大きく発展するでしょう」と伝えました。実際は普通の学生でした。1年後結果を見ると驚きでした。その学生のIQが実際に上がり、成績も向上しました。先生の肯定的期待が学生を変えたのです。この実験は「期待の力」がどれほど強力かを示しました。
名前はギリシャ神話から来ています。彫刻家ピグマリオンが自分が作った彫像と恋に落ち、あまりにも切実に願ったので女神が彫像を実際の人間にしたという話です。「切実に期待すれば現実になる」という意味でこの名前がつきました。